「病気が進行する過程で細胞の活動はどのように変容していくのか」、「病気を改善させる薬はどのように効くのか」といったことが視ることで分かるようになれば、新たな治療法、診断法、予防法の開発が効率的に進むことでしょう。近年、細胞の活動に応答して濃度が変化する分子と結合してピカっと光る研究ツールなどが多数作製され、生命科学研究で広く利用されるようになってきました。私たちは、細胞の活動状態を視る手法を活用しながら、病気を理解し、薬の開発に役立てる研究をしたいと思っています。
薬学科では、どういうことを学ぶと思いますか?医療人として有為な薬剤師になるため、薬の作り方(有機化学)や薬の効き方(薬理学)を学ぶのは想像し易いと思いますが、漢方薬や薬になる植物のことも勉強します。
実は今、日本で漢方薬が使えなくなるピンチが訪れています。日本で用いている漢方薬原料は8割以上が中国産で、中国一国に依存している状態です。薬剤師は国民に医薬品を安定供給する責務があります。私は薬剤師として、漢方薬原料の国内自給率を向上させるため、延岡市内の生産者と協力して薬用作物の産地化を行っています。
産地化と一言で言っても簡単にできることではありません。人手が必要な植え付け、除草管理、収穫、加工の際には学生に手伝って頂きますが、授業で話した内容と現場とのリンクができるように畑で講義が始まることもよくあります。また、学生は作業中に生産者と会話をすることで、薬剤師に必要なコミュニケーションスキルを得ています。
薬学科が積極的に薬用作物の産地化に取り組んでいる大学は珍しく、全国的にも本学を入れて2校と言われています。これは地域にある大学だからこそできる取り組みであり、国内最南端の薬学科としてアピールできる部分だと考えています。
薬剤師は医療人であり、脈拍・呼吸・血圧などのバイタルサインの確認法は身につけるべきです。これらの確認をもとに、患者さんの薬が効いているか、副作用で困っていないかを評価します。九州医療科学大学薬学部は、日本の薬学部で初めて患者ロボットを導入しました。患者ロボットでは、バイタルサインの確認、心音・肺音・腸音の聴取および全身観察を行いながら、薬効の確認や副作用症状の再現がシミュレーションできます。また、救命救急処置として心肺蘇生、AEDの実施や薬剤の投与も可能です。さらに薬剤のチップ認識も可能で、検査結果・画像所見表示、閉眼、発声、チアノーゼ、発汗、振戦などの確認もできます。
これらの患者ロボットの機能を最大限に活用できるオリジナルシナリオを作成し、薬学生が実務実習中に遭遇・体験することが困難な症例などについて、学内にいながら体験できるシミュレーション教育を世界に発信しています。
教員一覧
職名 | 氏名 | 主な担当科目 |
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教授 | 大倉 正道 | 生化学Ⅰ |
大塚 功 | 天然医薬品化学Ⅰ | |
緒方 賢次 | 薬物治療学Ⅰ | |
金光 卓也 | 有機化学 | |
木村 博昭 | 公衆衛生学 | |
黒川 昌彦 | 生化学Ⅲ | |
白崎 哲哉 | 放射化学・薬品学 | |
鈴木 彰人 | 治験コーディネーター論 | |
高村 徳人 | 薬物治療学Ⅴ | |
徳永 仁 | 薬物治療学Ⅲ | |
鳥取部 直子 | 生理・薬理学Ⅴ | |
比佐 博彰 | 生理・薬理学Ⅱ | |
松本 貴之 | 生理・薬理学 Ⅳ | |
山崎 哲郎 | 有機化学Ⅰ | |
横山 祥子 | 物理化学I | |
准教授 | 渥美 聡孝 | 生薬学 |
内田 太郎 | 情報処理入門、分析化学Ⅲ、データサイエンス | |
戸井田 達典 | 医学概論 | |
甲斐 久博 | 薬物代謝学 | |
興梠 靖幸 | 調剤学 | |
田原 佳代子 | 分析化学Ⅰ | |
堤 敏彦 | 薬剤学Ⅰ | |
園田 純一郎 | 薬物治療学Ⅳ | |
吉田 裕樹 | 基礎生化学 | |
日高 宗明 | 製剤学 | |
講師 | 杉田 千泰 | 生化学実習 |
中村 賢一 | 無機化学Ⅰ | |
長野 貴之 | 基礎薬理学実習 | |
橋本 亜衣子 | 英語 |