脳機能系の疾病により、“ことば”が使えなくなった失語症、飲食物を飲み込めなくなった摂食嚥下(せっしょくえんげ)障害、そうした方々のリハビリを支援しています。
また、当院には発症直後の方が多く、ある朝めざめたら突然“ことば”が出てこないといった精神的なダメージはとても大きく、メンタル面へのケアも大切な職務です。
但し機能回復の訓練は慎重を期すため、症状の改善は急ぐことはできません。そこに壁を感じたりもしますが、ほんの少しでも“ことば”を発することができた患者さんの笑顔に、私自身が救われることも少なくありません。
今後は患者さんの“できない”ことだけでなく、“できる”ことに着目し、寄り添っていきたいと思っています。
高校のころ
中学生の頃から言語聴覚士をめざそうと思っていたので、養成課程がある3校のオープンキャンパスに参加しました。その中で九保大の施設は抜群に充実していて、演習や実習の体制が最も整っていたことから、進学を決めました。高校では勉強も頑張りましたが、ソフトボール部での練習にも励み、養った体力・気力が後に役立ちました。
九保大のころ
同じ目標をもつ仲間と学びあう毎日でした。また、患者さんと実際に接する機会も多く、臨床での実践に必要不可欠な観察力や判断力を磨くことができました。医療人としての自覚を高めると共に、社会人としてのマナーやコミュニケーション能力を高める機会にも恵まれ、それらが患者さんはもちろん、ご家族に寄り添う際の土台となりました。
児童養護施設に常勤し心理療法を担当しています
心理療法担当職員
社会福祉法人 鐘ケ浜学園(宮崎県日向市)勤務
川野 幸代さん
吉備国際大学 大学院 心理学研究科 臨床心理学専攻(修士課程)2012年修了
九州保健福祉大学 社会福祉学部 臨床福祉学科 臨床心理専攻*2010年卒業
*現・臨床心理学部 臨床心理学科 心理・福祉コース
延岡西高等学校(現・延岡星雲高等学校 / 宮崎県)出身
事情があって親と暮らせない小中高生が生活する児童養護施設で心理療法担当職員をしています。その仕事は“こころ”の不安をやわらげ、情緒を安定させるための心理ケア・カウンセリングです。また、子どもの気持ちを受容した行動療法を行うには日常の観察・理解が必要なため、一緒に遊ぶのはもちろん、保育職員の生活支援にも加わります。そんな当職がめざすのは子どもたちが施設を巣立つ日、“自活”できる人になってもらうこと。心理職にできることは、すべてしてあげたいと思っています。なお私自身は九保大で臨床心理学を学び、学園内推薦で進んだ吉備国際大学の大学院を経て現職に就きました。興味ある心理学を学んで仕事にするなら、このルートを辿るのが良いと思います。