本学科卒業生の薬剤師国家試験合格状況
本学薬学科の卒業生は、これまで難関の薬剤師国家試験において高い合格率を上げてきました(表1)。6年制教育開始後の第97回~第106回の薬剤師国家試験の新卒積算合格率は92.8%で、私立大学の中では第2位です。2020年に行われた第105回だけは少し残念な結果に終わったものの、それでも直近5年間(第102回~第106回)の新卒積算合格率は93.7%と高い合格率を維持しています。
新卒合格率 | 本学の順位 (私学中) |
||
---|---|---|---|
本学 | 全国平均 | ||
第97回 | 99.0% | 95.3% | 7 |
第98回 | 92.5% | 85.1% | 新卒データ未公開 |
第99回 | 87.3% | 70.5% | 2 |
第100回 | 93.4% | 72.7% | 1 |
第101回 | 98.6% | 86.2% | 3 |
第102回 | 96.0% | 85.1% | 5 |
第103回 | 97.0% | 84.9% | 2 |
第104回 | 97.1% | 85.5% | 3 |
第105回 | 80.9% | 84.8% | 35 |
第106回 | 98.2% | 85.6% | 3 |
近年の国家試験においては、深い理解や思考力を問われる問題が増え、それに伴い各大学の入学偏差値と国家試験の合格率とが正の相関を示すようになりました(図1)。本学科の入学偏差値は決して高くありませんが、過去10年間(6年制薬学教育開始後)の国家試験積算合格率(受験者総数に対する合格者の割合)は、入学偏差値が20近く高い大学に匹敵する成績を残しています。
このような素晴らしい成績を残せた最大の要因は、学生や教員の努力のほかに、本学科の卒業認定が次章で述べる卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に基づいて厳密に行われてきたからだと思います。
本学科ではディプロマ・ポリシーに基づいて、薬剤師として社会で活躍できる最低限の実力を身につけた学生にのみ薬学士の学位を授与してまいりました。したがって、本学科が卒業を認定した学生は全員が国家試験に合格してもおかしくない実力を持っていると考えています。
2021年3月までに本学科を卒業した1,513名のうち、実に95.5%にあたる1,445名が薬剤師免許を取得しています(表2)。この結果は、本学科のディプロマ・ポリシーがいかに適切なものであるかを示しています。
卒業者総数/入学者総数 | 1,513/2,008 | 75.3% |
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合格者総数/入学者総数 | 1,445/2,008 | 72.0% |
合格者総数/卒業者総数 | 1,445/1,513 | 95.5% |
本学科の教育力
バイタルサインが読める薬剤師をめざして!
全国に先駆けた、他大学にはない独自の教育
これからの薬剤師には薬に関する高度な知識に加えて、患者さんの体の状態を把握できる能力が求められます。なぜなら、 これからの薬剤師は、医師から「今、患者さんに使用している薬は本当に効果が出ているの?副作用は出ていないの?もっと有用な薬はないの?」と相談され対応できる能力が求められるからです。適正な薬物療法には、医師と患者さんの間に、薬剤師による情報の橋渡しが重要なのです。
そのため、本学では「実習用患者ロボットを使用した模擬ベッドサイド実習」を導入しており、「患者さんのバイタルサインが読める薬剤師能力の開発」にも真剣に取り組んでいます。この独自の取り組みは、高く評価され、全国の薬学教育の模範となるべく文部科学省の教育支援プログラム「医療人GP」に採択た実績を有しており、ベッドサイド実習施設は全国の薬学部そして医学部を含めてもトップレベルとなっています。