九州保健福祉大学における生成 AI の教学面の取扱いについて
令和5年8月1日
九州保健福祉大学における生成 AI の教学面の取扱いについて
学長 兒玉 修
生成AIの利活用については、昨今、各関係分野からその取扱いについて各種の提言等がなされております。本学においても、以下の点に留意のうえ、くれぐれも慎重な利活用に心がけていただくよう、学生の皆さまには注意を喚起いたします。
(1)生成AIの出力をそのままレポート等の提出物として使用しないこと
大学における学修は学生が主体的に学ぶことが本質であり、生成AIの出力をそのままレポート・課題・試験・論文等の提出物として用いることは、学生自身の学びを深めることに繋がらないため、不適切と考えられます。また、生成AIの出力に既成の著作物の内容がそのまま含まれている場合、その出力をレポート等に用いると、本人がそれに気づいているかどうかにかかわりなく、剽窃(ひょうせつ)や著作権侵害にあたる恐れがあります。提出物に対する責任は自分自身で負わなければなりません。生成AIの出力情報については、正確性の確認、剽窃になっていないことの確認を行った上で使用してください。レポート等に生成AIを使用する場合、使用する旨や使用する生成AIの種類・箇所を明記してください。なお、授業科目によっては、教育上の目的から、生成AIの使用を制限する場合や、逆に使用を許可する場合もあります。使用の可否については授業担当教員の指示に従ってください。
(2)機密情報や個人情報など、公開してはならない情報を生成AIに入力しないこと
プライバシー保護やセキュリティ上の理由から、公開してはならない情報を生成AIに入力しないでください。機密情報や個人情報などを生成AIに入力すると、意図せずともその情報が利用されたり、流出・漏洩したりするリスクがあります。また、入力した内容を生成AIの深層学習に使用させない(オプトアウト)設定が可能である生成AIを使用する場合、深層学習に使用させない設定としてください。
(3)生成AIの出力には虚偽情報や偏った見解も含まれていることを理解して使うこと
大規模言語モデルを活用した生成AIは、基本的に、ある語句の次に用いられる可能性が確率的に最も高い語句を出力することで、文章を作成していくものであり、人間が行うような高度な理解や推論はしていません。また、生成AIが深層学習している情報には、虚偽情報や偏った見解による情報も含まれているので、生成AIの出力結果には明らかに不正確とわかる情報や偏見が含まれる場合があります。さらに、使用者が生成AIに入力する内容が虚偽の内容や偏った見解に基づく内容であると、出力結果にもそういったバイアスが反映されやすくなります。したがって、生成AIを使用する場合、出力結果を無条件に信用せず、注意深く使う必要があります。
補足
本通知は、今後のAI技術の発展や社会での利活用状況等を踏まえ、社会のニーズに応じて適切に改訂される予定です。生成AIを含むAI技術に関する最新の動向、可能性とリスク、倫理面やデータリテラシー等を含む、これからのデジタル社会に適応できる基礎知識・能力等について、一人ひとりが理解・習得することに努めてください。
以上