順正学園免疫学研究所
機能性多糖体成分「β-グルカン」を検出する新しい簡易臨床検査キットを開発!
順正学園 九州保健福祉大学免疫学研究所の池脇信直教授(所長)と長濵純二准教授(研究員)は、「100歳まで健康に生きる」をコンセプトに健康維持・増進のための有益な機能性多糖体成分(β–グルカン)の研究を行っています。我々が開発に成功したβ–グルカン(写真)は免疫増強作用・脂質異常改善作用・血糖値上昇抑制作用があり、特に、腸管免疫に対する免疫増強作用は大変有益な健康保健機能であると考えられています。実際、社会医療法人近森病院(高知市)との臨床栄養サポートに関する学外共同研究(倫理委員会承認)においても病気の諸症状に対する予防や改善作用が認められています。
しかしながら、摂取されたβ–グルカンが生体内でどのような動態を示すのかほとんど分かりませんでした。そこで、研究所では生体でのβ–グルカンの動態を検出する試薬としてβ–グルカン抗体NK-5856(写真)を作製し、この抗体を用いた新しい簡易臨床検査キットを開発しました。この臨床検査キットを使用することで、生体内でのβ–グルカンの動態をリアルタイムに検出できるとともに、β–グルカンの生体での詳細な作用メカニズムが明らかになると期待されています。
免疫学研究所は、人々の健康と保健・医療・福祉の発展に貢献することを使命として、研究所のリソースを最大限に活用しながら、これからも教育現場、医療現場、さらには世界に向けて情報を発信して参ります。
【参考論文】
Ikewaki N, et al.: Controlled modulation of all the arms of the immunity including innate immunity by biological response modifier glucans, a simple yet potential nutritional supplement strategy to fight COVID-19. Journal of Food Biochemistry – Wiley Online Library